疾走!千マイル急行 (上) / 小川一水
強力無比の蒸気機関車に引かれ、大陸を横断する「千マイル急行」。
磨きぬかれた漆黒のボディ、贅を尽くした内装。だが、選ばれて乗り合わせた若者たちの心が躍るのは、その豪華さ、力強さだけではない。はるか東の未知なる都市が彼らの訪れを待っているのだ。
しかし、その華麗な列車におよそ不似合いな、まがまがしい車両が連結されたとき、
旅の様子は一変した――。
鉄道ものですよ鉄道もの。小川さんのお話にお馴染みの職業人は今回は主人公ではなく、主人公は少年ですけれど、もちろん周囲は相変わらず職業意識に燃える人々が固めております。
まあ、端折りすぎる説明を試みると…
(経過省略)
ダメだ自分の文才のなさがよくわかって鬱になりましたorz
都市国家の命運をかけて遠い東の国に交渉しに行く役目を負ったTME(千マイル急行)が目的地に着くまでがこの上巻になります。
たどり着くまでに軌間の違う路線を突っ走り、北欧の様に船に乗って移動し、アプト式が登場し、いやぁ、なんかメカな鉄道話は改めて読むといいですね。
最初に出てくる蒸気機関車は日本で言うところのD形。動輪4。
あ、出したら話があっという間に成り立たなくなるからでしょうが、車両限界はさっくりスルーされています。
軌間可変は客車はタルゴ客車が現存するなかでは一番有名だと思いますが、蒸気機関車の動輪の軌間可変は、クランク・クランクピンの交差角度と車軸が問題か。車軸はまあトルク可変継ぎ手みたいなのを考えるとして、クランクの交差角度は、なんとかなるか。
やはり皆さん的には動輪がスポーク式な方がロマンがあるのだとは思いますが、僕はボックス式の方が好きなのでボックス式だともっと嬉しかったです。ってどうでもいいな。
いつもと違い主人公が少年なので、ちょっと情熱の燃え方が違いますが、ちゃんと美少女(主にローライン)もいますええ。(某M氏によればローラインはツンデレだそうですがよくわかりません)
下巻でたまに崩れることがあるので文句なしにお勧めとは行きませんが、上巻だけでも十分楽しめる良い作品です。装甲車両の描写もなかなかニヤリと出来ますし。ただ話の筋が筋なので、楽しいだけを期待される向きには今のところ不向きかと。たとえばキャラの恋愛(だけ)が読みたいんだよ!とか言う向きには。
しかしアレですね、某M氏と話したときに出た話題ですが、ソノラマから出ている小川先生の本のタイトルは何故みんないまいちセンスが感じられないのでしょうか。メデューシンとか。今回もなんだか、こう、どの年齢層を対象にしているのか問いつめたくなるタイトルだし。
…いちばんどうかと思うのはSD文庫からでた奴ですけどね!あれはもう編集は何を考えていたのかと。