昔問い合わせたら、
「2005年はじめに新製品出すから期待してろこの野郎」(誤訳)という返事を貰ったのですが、晴れてその新製品がでたので紹介。
NITROXというのはセキュリティ・プロセッサという分類をされるチップで、暗号化アクセラレータを内蔵した統合チップ、というものです。
SonicWallなんかに載ってます。本当。
でも、NITROX SOHOはこれとは違うラインナップでありまして、昔日本の高速ブロードバンドルータ市場で一世を風靡したBRECIS社のMSP2000シリーズをCaviumが買収して登場させたラインナップです。BRECISのMSPのうち暗号化処理を主にしていたMSP2000,2010,2100は
Cavium Networksが買収、VoIP機能を主にしていたMSP2015、2020、4000、5000は
PMC-Sierraが買収して販売を継続してます。
で、そのMSP2000シリーズ(Cavium Networks名だとCN200シリーズ)にCavium開発の新製品が追加されました、というのが本題。
本題までどれぐらいかかるのだろう僕。
Cavium Networks expands single chip NITROX Soho Processor family to deliver industry leading security performance for next generation wired and wireless SOHO/SME routers and gateways
新たにCN220とCN225が登場しました。パッケージはMSPから互換性があるPBGA276pinですが、暗号化回路がCavium開発でリファインされ、ほぼ2倍以上の性能向上を果たしています。てかSSL-VPN向けの処理がかなり強化されてるっぽいですな。リファインされた暗号化回路は"GigaCipher"というらしいです。
しかしSSL-VPNパフォーマンスが25Mbps以上なチップが$20以下ですか…なんというか…CN225はマルチプロトコル処理にも対応してるそうで。
…でもCPUは強化しなかったのね…せめて2倍速にするとかしなかったのはなぜ?
この新暗号化ブロックの評価はどうなんでしょう。というかBBルータなどに沢山出てくるには台湾あたりのODMデザインメーカーがサンプル設計をしないと出てこないので。
ODMに頼りっきりのオムロンなんて、未だに新製品に初期のMSP2000積んでます。(MSP2000だけパッケージが違って大きいのでその後でたMSP2010などへ単純に載せ替えられずに再設計になる)
でも正直な話、VPN要らないから安いの、というのが主流の今は何処を向いても蟹かADMTekですな…あ、あとMicrel(Kendin)。いやそら無茶して稼げば最高速度は出るかもしれませんがそれならまだIXP422の方が速い、ってIXPもこれらに比べれば格段に高いのでした。
低価格帯:蟹とか
高価格帯:CN2xxとかIXP4xxとかAu1xxxとか
という感じで。…まあIXP425とか積んだら5000円台の定価はつけられないですね。
何気にAu1550、メモリ周りの速度改善で速くなってるっぽいのでどこか採用してくれないでしょうか。暗号化回路は定評あるSafanetのだし。(Au1100はセンチュリーシステムズが採用してるがちょっと遅い)
もうPowerPC積んだ製品とかSH-4積んだ製品とかはほとんどお目にかからなくなりました…(SH-4はマイクロ総研が全面採用。PowerPCはモトローラ(現フリースケール)のを昔バッファローが使用していましたがいまは同じ構成でLinkstationや玄箱などのNAS向けや無線LANの業務用APにのみ使用。IBMのはセンチュリーシステムズが一部で採用してますね)
どれもどうしても高くなっちゃうからでしょうか。まあそら蟹の
RTL8650とかに比べれば…はぁ。