トップ 検索 管理用
もりげレビュー


  ごあいさつ Date: 2002-03-29 (Fri) 

> 白馬に乗ったお姫様が現れるのを夢みていた。
>「お願いだ。俺も一緒に連れてってくれ」
>「どこへ?」
>「どこへでも、あなたのゆく所へ。もうここは嫌なんだ」
> だが気がつくと私は三十九歳である。
>これはひょっとすると、もうお姫様は来ないかもしれない、と思い始めた。

――穂村弘



こんにちは、もりげです。さて、こばげんにわざわざCGIを置いていただいた以上、何か書かなくてはならないわけです。どうしようか。

そんな感じのコラムを――

……ごめんなさい。全部ぼくには無いものばかりだったよ。なにしろぼくはヘタレである。ブラームスの晩年のピアノ小曲集みたいに女々しいヤツなのである。妄想癖もある。しかもたちの悪いことに中途半端なヘタレなので、胸を張ってヘタレ道を邁進することもできない。

声優のライブに行ったこともある。主人公が「ほえ〜」とか「はにゃーん」とか口にするアニメの劇場版に行ったこともある。入試の日の朝は坂本真綾(というよりむしろ菅野よう子が主眼か)の歌を聴いて試験に臨んだ。……もうどうしようもないのだ。いつのまにこんなことになってしまったのだろう。どこで間違ったのだろう。ぼくは自分の過去に恥じ入っているのだ。自分が可哀想でたまらないのだ(c)『MOON.』tactics。しかし。ヘタレはヘタレ故に過去をきっぱりと断ち切ることなどできない。思い出すたびに胸の痛む思いをしながら、懺悔したくなりながら、だれかに助けてもらいたくなりながら、
――でもシカタ・ガ・ナイ(c)『グリーン・マーズ』K.S.ロビンスン。今もぼくはその延長にいる。

しかしまあ、考えようによっては、今はヘタレの時代でもある。『NHKにようこそ!』がベストセラーの時代だ。『フルーツバスケット』がベストセラーの時代だ。だから、だから。前向きさんにはなれない私ですが。前向きを夢みる後ろ向きさんとして、ぼつぼつ駄文でも書いていきますので。よろしく。

[前頁]  [次頁]


- Column HTML -