「なんだか自分が間抜けになったような気分だ」
「本当のことを言おうか? 君はもともと間抜けなんだよ」
ああ、そんなことは気づいてたさ。気づいてたことに気づいたのはたった今だけど。
「往々にしてそうなんだよ。間抜けは自分の間抜けさをなかなか直視できない。間抜けになったような気がするときは、むしろ間抜けの度合いが減じた瞬間と考えることだってできるのさ」
「それは今後、ぼくの救いになるのかな?」
「さあね。これから君がどの程度の間抜けでいるかにかかってるんだろうな」
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