こう毎週感想を書きたくなるようなアニメってのは本当に久しぶりだな。もしかするともしかしますよ、この作品は。そう思わせてくれる。実に正統派伝奇SFですよ! ちゃんと資料当たってますよ! 考証を経た伝承の設定を超えたところにある大ネタは一体どういう姿をしているのだろう。なんて楽しみだ。
とかそういうことばかりじゃなく、たとえば潮音ですよ。毎度ながら潮音。
「潮音だよ ^-^
今日も暑いね
勉強はかどってる?」
orz
この臓腑をえぐるような痛みはなんだ。無理ありすぎるよ、そのメール。返信くるわけないよ。相手はあの拓馬だしな。
と思っていたら、美紀の歩への笑顔によって前話の拓馬の無様さが浮き彫りになる神演出。その切れ味は、拓馬が可哀想になるほどであって、こちらは感嘆せざるをえない。
設定をしゃべるための歩と美紀の会話はいささか饒舌にすぎるようにも感じたが、しかしそれもお互いを微妙に意識してテンションが高くなっていることの演出だ、と言われれば納得してしまいそうで、実にうまい。
ハイテンションを持続した歩は続いて潮音にはっきりと本音を告げるが、ここの潮音のセリフ作りも良かった。彼女は浅はかではあるが、愚かではない。歩の本音をしっかり受け止めて逃げなかった。
序盤どうも気に食わなかった歩や潮音といったキャラも、だんだんとさまざまな面が見えるに従って魅力的に思えてくる。拓馬以外はみんな。
こうして見てみると、拓馬にはどうも作り手の悪意が集中しているようで本当に不憫だな。
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