もりげのどうかと思うような日記

▼ ダン・シモンズ『オリュンポス』

読了。いや読んでる最中はさすがにおもしろい。参ったとしか言いようがない。

しかし、読了後はけっこうモヤモヤした感覚が残ります。積み残し多すぎ。

冷静に考えてみると、物語としてまとまってはいないんですよなあ。時事ネタに怒りすぎて変に暴走してる部分とか、節操なくあちこちから引用してくる部分とか（これは日本語に韻文という文化がないこと、それと私の元ネタ方面への知識のなさもネックになってると思う）、無理やり理系の説明をつけようとして結局できなくなっちゃった部分とか、変な突起物がいっぱいでできがよろしくない。

それにもかかわらずこれだけ面白いエンターテインメントに仕上がってるあたりが、この作家の恐るべき力量を如実に示している、とも言えるかもしれませんなあ。

なんにせよ、大ネタがかなりツボなベクトルにある雰囲気なので、この書き残し方はかなり残念でした。

……まあ、シモンズの言動からするとたぶん続編出るんでしょうけどさ！

アキレウスとペンテシレイアの最後のシーン、ペンテシレイアが超典型的なツンデレ言動してて噴いた。