Micron 1300 2TB(MTFDDAK2T0TDL-1AW1ZABYY) ベンチマークレビュー
Micron 1300 2TB(MTFDDAK2T0TDL-1AW1ZABYY)
96L(Micron Gen3 3D NAND) TLC採用のアレ。ツクモで白封筒で売ってるアレです。
前の白封筒は1100(MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYY)でしたが、今回は1300。といっても基本的に1100と入れ替えられるのが1300の売りなだけあって、4K Randomの公表値が違うとかその程度ですが、実際どうなのということで適当にベンチをば。全体のレビューは無理なのでベンチマークだけレビューで。
ちなみに構成は殆ど変わらず、コントローラも88SS1074のままです。
(MX500みたいにSM2258になったりはしていない)
比較対象は
計測にはCDM 6.1.2、AS SSD Benchmark、HD Tune Pro(5.75)を使用しました。(整合性確認のためにTxBench 0.96でのベンチとエクスプローラーによる大容量ファイルの転送速度計測も行いましたが、掲載は省略します)
スクリーンショットは1300/1100/MX300/X600/Blue 3Dの順です。画像サイズ(解像度・ファイルサイズ両方)が大きいのでご注意を。
96L(Micron Gen3 3D NAND) TLC採用のアレ。ツクモで白封筒で売ってるアレです。
前の白封筒は1100(MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYY)でしたが、今回は1300。といっても基本的に1100と入れ替えられるのが1300の売りなだけあって、4K Randomの公表値が違うとかその程度ですが、実際どうなのということで適当にベンチをば。全体のレビューは無理なのでベンチマークだけレビューで。
ちなみに構成は殆ど変わらず、コントローラも88SS1074のままです。
(MX500みたいにSM2258になったりはしていない)
比較対象は
- Micron 1100 2TB(MTFDDAK2T0TBN-1AR1ZABYY)
- Crucial MX300 2TB(CT2050MX300SSD1)
- Sandisk X600 2TB(SD9SB8W-2T00-1122)
- Western Digital Blue 3D 1TB(WDS100T2B0A)
- どれも同じMarvell 88SS1074コントローラーなので、FWとNAND(Micron 32Lと96L、Sandisk/TMC 64L)の違いがメインに出るはずです。Blueだけは1TBですが、4chコントローラーなのでほぼ違いは無いはず。
マシンはShuttle DS57U(Celeron 3205U)なのでパワー不足気味(のためサステインレートが定期的に息継ぎしやすい)なのはご承知のほどを。
計測にはCDM 6.1.2、AS SSD Benchmark、HD Tune Pro(5.75)を使用しました。(整合性確認のためにTxBench 0.96でのベンチとエクスプローラーによる大容量ファイルの転送速度計測も行いましたが、掲載は省略します)
スクリーンショットは1300/1100/MX300/X600/Blue 3Dの順です。画像サイズ(解像度・ファイルサイズ両方)が大きいのでご注意を。
ショートカットリンク:結論 、なぜ"ベンチマーク"レビューなのか
CDM 1GB。
どれもSATA3(6.0Gbps) SSDらしい値です。
CDM 32GB。
こちらも同じく。強いて言えば4K ReadがBiCS3なX600/Blue 3Dと同程度になっています。このクラスでは、Phison S11T採用の小容量SSDなどとは違い、テストサイズによる変化が強く出たりはしません。
AS SSD Benchmark。10GB設定です。
※なぜか4K 64TのReadがうまく計測できない場合があり、Micron 1100/Crucial MX300で異常値が出ていますが、他は(そのほかのデータとの整合性からも)問題なく取得出来ているようです。
その他のデータを見る限りCDMと同じ傾向ですね。
AS SSD BenchmarkのCopy test。
Micron 1100のGameベンチだけ値が低いのですが、複数回同じレンジの値になるため、そのまま採用しています。
ここまで全部そうですが、基本的にはMicron 1300はWD Blue 3Dと同じく4chコントローラーによるSATA3 SSDとしては限界付近の性能を安定して出しているようです。
(8chコントローラーになると、QD32などでもう少し高くなりますが、クライアント向けのワークロードでは特に差は無いと言って良いと思います)
HD Tune Pro Write Test(RAW 100GB)。画像サイズ注意。
※HD Tuneはグラフスケールが自動で変わってしまうため、極力合わせるようにそれぞれの画像サイズを変更しています。あと元の画像解像度が3992x1589ありますのでご注意ください。
RAWでの100GB書き込みテストです。SLCキャッシュの振る舞いが出やすいテストですが、MX300と1100はおなじ32GB付近でSLCキャッシュが終了しTLCへの直接書き込みになって速度低下がはっきり分かります。
(実際には残り三種類もSLCキャッシュを採用している様ですが、TLC領域でも速度が同程度保てるため、あまり差が見えません)
BiCS3の二機種の波は、あるレンジごとにTLCへのMoveが起きてるためかもしれません(BiCS3はおそらくOn-chip Copyを採用していない)。
HD Tune Pro File Test(100GB/RW & Block Size)。画像サイズ注意(5760x2097px)。
こちらだと1300以外はキャッシュサイズをある程度推定できます。X600は15GB程度、Blue 3D(1TB)は12-15GBでしょうか。
ブロックサイズごとのテストはDelay=0のため、参考程度で。
1100のWriteが一部伸びないのは他でもそうなので間違いでは無いと思います。また小サイズではWrite優先なのはSandisk/WDの傾向ですね。
直接比較したい1100と1300だけを取り出したグラフを見てみましょう。
Micron 1100と1300のHD Tune Pro FILE TESTグラフ重ね合わせ。
グラフ内の説明にあるように、薄めの線が1100です。
1100は32GBのSLCキャッシュ(Fixed size)が溢れると(Direct-to-TLCでは)書き込み速度は280-290MB/sに落ちます。
1300は少なくともシーケンシャルではほぼ速度が変わらず、470MB/s程度を維持しています。
これはNANDのWrite Speed(tPROGの速さ)の違いが出てるためでしょう。IMFT 32Lは基本的にTLCモードでのtPROGが遅いのです。64L/96LはTLCだけに周辺回路を最適化しつつ、Planeあたりのサイズも小さくするなどしてWriteも速くなりましたので、4ch/4wayでも400MB/s以上稼げるようになったと思われます。
Micron 1300 2TB SSDをベンチマークで見てみました。
1100にあった、多少のビハインドのような部分は解消され、とくに苦手が無くなった感じです。大容量の安いSATA SSDが欲しかったらとりあえず選んでも大丈夫でしょう。
おまけ:CDI 8.3.0。
S.M.A.R.T AttributeはいつものMicronですね。
本来、SSDの評価対象としては一般的性能以外に、P/Eサイクルが進んだ後のデータ保持能力、UBERの変化、高負荷時の安定性、電源断に対するデータ保護能力の堅牢さと言った所であるべきと考えています。しかしそれらは短時間の(対象を破壊しない程度の)試験では明らかにすることが出来ないため、一部ベンチマークに絞った内容としてエントリを起こしています。
CDM 1GB。
どれもSATA3(6.0Gbps) SSDらしい値です。
CDM 32GB。
こちらも同じく。強いて言えば4K ReadがBiCS3なX600/Blue 3Dと同程度になっています。このクラスでは、Phison S11T採用の小容量SSDなどとは違い、テストサイズによる変化が強く出たりはしません。
AS SSD Benchmark。10GB設定です。
※なぜか4K 64TのReadがうまく計測できない場合があり、Micron 1100/Crucial MX300で異常値が出ていますが、他は(そのほかのデータとの整合性からも)問題なく取得出来ているようです。
その他のデータを見る限りCDMと同じ傾向ですね。
AS SSD BenchmarkのCopy test。
Micron 1100のGameベンチだけ値が低いのですが、複数回同じレンジの値になるため、そのまま採用しています。
ここまで全部そうですが、基本的にはMicron 1300はWD Blue 3Dと同じく4chコントローラーによるSATA3 SSDとしては限界付近の性能を安定して出しているようです。
(8chコントローラーになると、QD32などでもう少し高くなりますが、クライアント向けのワークロードでは特に差は無いと言って良いと思います)
HD Tune Pro Write Test(RAW 100GB)。画像サイズ注意。
※HD Tuneはグラフスケールが自動で変わってしまうため、極力合わせるようにそれぞれの画像サイズを変更しています。あと元の画像解像度が3992x1589ありますのでご注意ください。
RAWでの100GB書き込みテストです。SLCキャッシュの振る舞いが出やすいテストですが、MX300と1100はおなじ32GB付近でSLCキャッシュが終了しTLCへの直接書き込みになって速度低下がはっきり分かります。
(実際には残り三種類もSLCキャッシュを採用している様ですが、TLC領域でも速度が同程度保てるため、あまり差が見えません)
BiCS3の二機種の波は、あるレンジごとにTLCへのMoveが起きてるためかもしれません(BiCS3はおそらくOn-chip Copyを採用していない)。
HD Tune Pro File Test(100GB/RW & Block Size)。画像サイズ注意(5760x2097px)。
こちらだと1300以外はキャッシュサイズをある程度推定できます。X600は15GB程度、Blue 3D(1TB)は12-15GBでしょうか。
ブロックサイズごとのテストはDelay=0のため、参考程度で。
1100のWriteが一部伸びないのは他でもそうなので間違いでは無いと思います。また小サイズではWrite優先なのはSandisk/WDの傾向ですね。
直接比較したい1100と1300だけを取り出したグラフを見てみましょう。
Micron 1100と1300のHD Tune Pro FILE TESTグラフ重ね合わせ。
グラフ内の説明にあるように、薄めの線が1100です。
1100は32GBのSLCキャッシュ(Fixed size)が溢れると(Direct-to-TLCでは)書き込み速度は280-290MB/sに落ちます。
1300は少なくともシーケンシャルではほぼ速度が変わらず、470MB/s程度を維持しています。
これはNANDのWrite Speed(tPROGの速さ)の違いが出てるためでしょう。IMFT 32Lは基本的にTLCモードでのtPROGが遅いのです。64L/96LはTLCだけに周辺回路を最適化しつつ、Planeあたりのサイズも小さくするなどしてWriteも速くなりましたので、4ch/4wayでも400MB/s以上稼げるようになったと思われます。
結
Micron 1300 2TB SSDをベンチマークで見てみました。
1100にあった、多少のビハインドのような部分は解消され、とくに苦手が無くなった感じです。大容量の安いSATA SSDが欲しかったらとりあえず選んでも大丈夫でしょう。
おまけ:CDI 8.3.0。
S.M.A.R.T AttributeはいつものMicronですね。
なぜ"ベンチマーク"レビューなのか
本来、SSDの評価対象としては一般的性能以外に、P/Eサイクルが進んだ後のデータ保持能力、UBERの変化、高負荷時の安定性、電源断に対するデータ保護能力の堅牢さと言った所であるべきと考えています。しかしそれらは短時間の(対象を破壊しない程度の)試験では明らかにすることが出来ないため、一部ベンチマークに絞った内容としてエントリを起こしています。
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