そういうものが好きだ、という人にいろいろと話をきいてみたのだが、どうやら最近は「裏血液型」なるものがあるらしい。
「わたしはA型だけど、裏はB型なの」
とかなんとか。ご存知のように血液型性格診断というやつはABO式の血液型の区分により、性格の類型が見られる、という主張に基づくものだ。A型はマジメ、とか、AB型は不思議ちゃん、とか、そんな感じである。
「でも、A型の中にもBっぽい人とかそういうのもいるから、裏血液型まで見て自分のタイプを判断するの」
ということらしい。で、なんかB型同士は仲が悪い、とかいう決まりごともあるらしくて、
「だから、わたしは裏B型だからだと思うけど、気が合わない人ってB型のことが多い」
んだそうだ。
あまりに野暮なので突っ込まなかったんだけど、それってただの性格別相性診断じゃないの? 「裏」を用意した時点で、もう実際の血液型とは何一つ関係なくなってると思うんだけど……。
「けっこう当たってると思うんだよね、血液型占いって」
いや、そりゃあんた性格診断した上で相性や行動特性と結びつけたならそれなりに当たるでしょうよ。
血液型診断は、説得力を増して生き残るために、自らの存在の核である「血液型」そのものを捨てる道を歩み始めているのだろうか。血液型診断を愛する原理主義者の中にはそれを不愉快に思っている人もいたりしないだろうか。派閥が乱立し、血で血を洗うような抗争に発展したりしないだろうか。かなり心配である。
いえ、裏血液型については正しい知識をまるきり持ち合わせていないで適当に言ってるのですが。それとも、ただの性格別の相性占いに成り果てないための、特別な工夫とかがされてるんでしょうか。
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