久しぶりの快晴で、日本とは思えないくらいに空の青が濃い。そんな中をゆくと、目を細めっぱなしでないとまぶしくてたまらない。もう、薄暗い部屋への適応が完了してしまい、外の世界には適さない体になってしまったのだろうか。
そんなこんなでいろいろあって、今日のメインイベントのデュオ発表会が終わればもう19時。もうこの後いろいろできる気がしなかった。なんで、忙しいとかなんとか言いつつ打ち上げには参加なのである。
大食い列伝やら悲惨な恋の話やらを聞いて大いに盛り上がる、それも結構だが、飲み会で大事なのはデザートである。大食い列伝も悲惨な恋の話も、すべてを包み込み、万感の思いを込めて、人数分のお冷とともに甘味を頼む、それが飲み会のあまりに美しい最終章だ。
「えーと、じゃあ俺この手創りプリン」
「じゃぼくも手創りプリン」
「手創りプリン!」
「男はプリンでしょ」
その場にいた男性全員、プリン。ちなみに女性はほぼ全員が杏仁豆腐。
プリンなのだ。そう、プリン。なんとすばらしい語感。プディング、なんて言っちゃいけない。あくまでプリン。
「プ」右肩のとがった部分を優しくなだめるような、ほんわかした○印が乗っかってる。
「リ」ぶっきらぼうな垂直線をそっと抱きとめるような、右下のなめらかな曲線。
「ン」恥じらうような点を安心させるように、右下の大きく育った曲線。
プリン。
3文字すべてが2画で構成される麗しさ。
ここでプリンで埋め尽くして日記を終わろうと思ったのだが、なんだか「愛の妖精プリンティン」を思い出しそうなのでやめた。
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