自分の力じゃどうしようもないことなんていくらでもある、と、事故でひとつの夢を壊された人が言っていた。
それまでは、自分は努力すればなんだってできそうな気がしていた。傲慢だった、と。
ぼくは傲慢である上に、なんだってできるはずの努力も精一杯にはしていないのだ、と思わざるをえなかった。
世界はいつからこんなにぬるま湯につかったような人生を生きていける場所になったのだろう。それは人類という種にとって、良いことではおそらくない。
日々の糧を得るために命を懸けていられたなら、屑のような毎日を生きる腐れた人間なんていなくてすんだろうに。
いや、ことばで自分たちを卑下して痛がっているふりをするだけなら、誰だってなんの努力もなしにできる。そして糞の役にも立たない。ばかなことはやめるべきだろう。
それに実際のところは一応、自分は目標や努力ということばと少しは仲良くしているつもりではあるのだし。
『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』終えた。もともと好きなジャンル、おセンチSFだし、グラフィックもシステム周りも良い。もちろんシナリオも繊細な良品。
けれどもどこか歯切れの悪い感想にならざるを得ないんだよなあ……。すべてが値段相応にこじんまりとまとまった印象というか。演出も、丁寧になされているのはわかるのだけど、逆に否応なしに気持ちを持ってかれるような強烈なものが感じられない。
クリック速度への調節とかも、いままでのKEY作品の3行表示窓の方が効果的に使えてたんじゃないかなあ。イマイチ「キネティック」が足りない気がする。
これだったら文庫本一冊買ったほうが……とか思ってしまいそうだ。まあCDシングル買うこと考えたらよっぽどいいわけですけどさ。
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