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もりげのどうかと思うような日記

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2005年03月08日(火) 春が脳に来つつあるな

失踪日記

吾妻ひでお『失踪日記』読了。これは、ものすごいものだと思います! 読み出したらとまらないおもしろさ。しかも読み終わって噛み締めると、なんだか不思議と深い感動がある。

鬱と妄想で家を飛び出し、自殺未遂したり、寝てる間に凍死しかけたり、それでもなんとか生き延びてゴミ漁りしながら路上生活、それになぜかガスの配管工になって肉体労働。そんな失踪の顛末が前半。後半は、アル中になってこれまた死にかけて強制入院させられた話(これはまだ完結してなくて、続くみたいです)。

そんな実体験を描いてこれほど軽妙でこれほど笑えて、なんだか逆に気分が上向くような作品に仕上げる。これはなんの奇跡ですか。「おもしろい」とか言うのは不謹慎な内容じゃないか、と言われそうだが、実際ものすごくおもしろい。

ここまでどん底の境遇に一時ありながら、後にはこんなスタンスでマンガにできるんだという、その事実に、勇気づけられる。

辛い心を辛く描けば描くほど芸術的だと思ってるような私小説作家連中は、このマンガの前にひれ伏すべきだと思う。いやほんと、どうのこうの言わないで、この世を生きる人間ならば読んでみるべき。

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  1. もりげ (04-13)
  2. トリガラ (04-13)
  3. V林田 (04-12)


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