桜並木を下から見上げると、葉っぱは虫食いだらけで、星を大きくしすぎたプラネタリウムのよう。これだけの作業を担った労働力は今もそこにいるはず。群れているはず。
Tシャツだけ着て歩いていたぼくは心もち縮こまりながら足を速める。あの黒くてふわふわのうねうねのぞわぞわが、降ってくるかもしれないから。
ご丁寧なことに、いちいち全部の木の幹に「近々、桜並木の剪定作業を行います」というおしらせが張られていた。剪定作業員と葉っぱ穿孔作業員がばったり顔をあわせたときどうなるのか、少し興味がある。
mail:gerimo@hotmail.com