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もりげのどうかと思うような日記

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2006年10月09日(月) 無料でご招待

ダン・シモンズ『イリアム』

読了。ちょうおもしろかった!!!!!

おもしろかった、とだけ書けばいいような気がするくらいですよ。みんなが読むべきだと思った。個人的にはハイペリオンシリーズよりもおもしろいと思う。

あらすじ書いても何やらさっぱり意味不明なくらいの荒唐無稽さですが、読んでるとそれらが納得できてしまうのだからすごい。驚異的な筆力です。

意味不明なりにいちおう設定を書き付けておいてみる。

「ルビコン禍」「最後のファックス」などの出来事を経て、地球上から真の「古典的人類」が消滅してから1400年。テラフォームされた火星のオリュンポス山にはなぜかギリシャの神々がいて、イリアム平原の人間たちに介入しては『イリアス』の記述そのままにトロイア戦争を進めている。太陽系には、自律思考する機械「モラヴェック」(……もちろんあの人にちなんでます)の版図が広がっており、彼らは近年急激に活発化した火星の量子擾乱に危機感を募らせていた――。

この作家、今さら言うのもなんですけど、そうとうヘンですね。木星近傍から調査に向かったモラヴェックの宇宙船が、火星軌道上で神の乗った空飛ぶ馬車に撃墜されるシーンとか、普通の感覚じゃこんな大真面目に書けません。語り手の中年男と絶世の美女ヘレネをベッドインさせて Her, Her してる作家なんて他にいないだろうしね。猛烈にヘンで猛烈に面白い超傑作。はやくつづきがよみたい。

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  1. もりげ (04-13)
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