ただの感想なんで、麻枝准ときいて何か特別な思いがこみ上げる人だけ読んでください。
いやあ、予想以上に麻枝分がたくさん補給できたので幸せ。Kanon からこっちどんどん減り続けてる気がしてたリリカルな部分が戻ってる気がした。何より麻枝曲が多いよ。ぜんぶ好きだが、日常曲の "morning glow" にはかなりやられた。なんかこう、楽しいことが待ち受けている感覚が当たり前になってしまうような、そんな日々が思い出されて、光に溢れた音楽なのに逆に切ない。でもやっぱり脳内でリピートしてしまったり。
ただ、麻枝シナリオっていうと物凄く些細なことにこだわって自分の心に閉じこもっていく過程が、唐突に壮大な風景と繋がってしまうようなところが一番の魅力だったはずなんだけど、それは(予想通りではあるけど)今回はあんまりなかった。
こう現実的なテーマについて結論を出そう、みたいな至ってありふれた目的意識が前面に出てしまうとねえ。良くも悪くも、表現者として自覚的になってしまったんだな、って感じはあります。でもこの突き詰め方は(クラナドの続編として)真摯な態度かと。結論としちゃありきたりだけど、自分の魂を救済するために書かれた叫びだってことは伝わる。でもネタバレ聞かずにプレイしてたらさすがに最後はちょっと呆れたかもしれんなあ。
あとおまけRPGはRPGとは違う今までになかった何かなんだけど、これはむちゃくちゃ良くできてる。麻枝氏はやっぱりゲームデザインでも才能あると思いました。というわけで、名作だとかそういうことはこれっぽっちも思わないが、今後も追いかけて行きたいという気持ちはやる前より強くなった。そんな作品でした。
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