「すぐにも試験だってのに、 est の不定形を sein とか答えててどうすんの、あんた」
「ははは。あの時はもっと高度な問題を考えていて頭がちょっと複雑になってたんだよ。仕方ないんだよ」
「ふぅん。何、高度な問題って」
「いや、『知るかボケ』と『アルカポネ』って似てるような気がするなって」
「あんたねえ――」
「プリントの練習問題がわかんなくてさ、解答欄につい知るかボケ、って書いちゃったんだよ。それを見た瞬間ふと思いついてね。そうそう、ちなみにアルカポネってのは正しくは『或ル蚊骨』って字をあてるんだぜ。知ってた?」
「……そんなネタふつうわかんないからね。それにそもそもにしてからがフランス語の問題じゃないからね」
「シカゴってフランスの首都じゃなかったっけ?」
「めちゃくちゃでござりまするがな」
もはや勉強の仕方すら忘れてしまったぼくはどうしたらいいのだろう。
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