暑い。
たとえば時を経るごとに、だんだんと世界が閉じてゆくような感覚とともに生きている人にとって、最初のうちに見えてた広い世界ってのは恵みどころか負の遺産でしかないということですか。
でも、新しく見えてくる景色だってないわけじゃないのですよ。
などと言ってみるのはぼくがやたらと言葉の力を信じてるせいなんだけど。
どれほど深い哲学的考察も、どれほど大切な直感も、それを「くだらない」の一言のもとに切って捨てられる視点を見つけることはたやすくて、だからこそそのうちのどれかを恣意的に選んで信じ込むふりをしたりする。しかし、信じ込むふりができないという真摯な人間もいるわけなので、つまり隅から隅までくだらないとみなしうる言葉で何かを伝えられるわけもない、と。
そのくだらなさってのはしかし人との関係性によって払拭されるべきものなんじゃないかなあ。と、私は信じ込みたがっているのです。
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