この季節少し濡れてもかまわないと思って歩いていたら、書店のビニール袋を頭にかぶったおっさんが必死で自転車をこいで追い越してった。袋の底がちょっと平らに広がって、学士帽子っぽい形に見えた。少しかっこいい。
かっこいいけど、あれじゃ頭にかかる雨しか防げないはずだ。よほど頭をぬらしたくない事情があったのだろうか。
たとえば白髪染めしてきたばかりとか。たとえば実は超高級カツラをかぶってるとか。もしかしたら「酸性雨にあたると禿げる」などという話で戦々恐々としてるんだとか。
ともかく、自転車を飛ばしてもぜんぜん脱げる様子がないから、ビニールの口が彼の頭の大きさに丁度だったんだな。きゅっ、と、ビニール袋がぴったりフィットした瞬間、彼はどれほどの喜びを感じたことだろうか。
たいへんに久しぶりに行ってみた。どうやら駅の工事はあれで完了ってところみたいだ。上りエスカレーターが完備されたのはありがたい。
秋葉原タワーを建てるのかと思ってた空き地にはなんかでかいビルがそろそろできあがりつつあって、その先にすぐ見えるのが新生アソビットシティ1号店。オープン当初の総合マーケットから撤退し、あんな狭いところに出戻ってなお「シティ」を名乗ってるのがどこか物悲しい。「アソビットシティは夜9時まで営業!」とかいう垂れ幕もやっぱり物悲しい。
で、撤退分裂後のシティに初めて入ったのだ。店内はすごく狭い。通路を狭くして、商品も余裕なく並べてある。あえて名づけるならアソビットスラム街ね。
まあよいのだ。目的の商品を1割引きで売ってくれたのだから。
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