これは素晴らしい! 倉阪鬼一郎、田中啓文、牧野修の3氏による展覧会、それがこのケダ画廊。どこまでも邪悪に、どこまでも気味悪く……彼らの小説の世界に直結した――というより、彼らの心そのものに直結した――どす黒い絵がたくさん!
倉阪氏は赤と黒の印象が強い抽象画。ぼくはふつう抽象画なんてわからんのですが、氏の作品は違います。にじみ出る邪悪さがびしびし伝わってきます。
牧野氏は人物画……なのか? ご本人ではニセモノといってますが、明らかにホンモノの異常さが読み取れる、まさに「愉快な名簿」。
田中氏は2枚しか絵がないですが、それでも笑うしかない迫力に満ちています。『蹴りたい田中』にも出てくる怪獣エビラビラの絵も見られるよ。
川に水が戻った。よかったよかった。きっとお魚も一息ついたに違いない。
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