トップ «前の日記(2004年07月29日(木)) 最新 次の日記(2004年07月31日(土))» 編集

もりげのどうかと思うような日記

過去の日記
feed:RSS/atom

2004年07月30日(金) 橋本元総理も割とヘンだと思う

空のレイヤー

太陽が照りつけたかと思うと、厚切り豆腐みたいな雲の塊がぞわーっと出てきて急に雨が降るような日で、自転車で出かけた直後にやってきた天気雨にだいぶ濡れた。西日に光って綺麗な雨だった。

それがあがって見上げた空はなんだかずいぶんと奥行きがある。まず一番下には、もう日もあたらなくなって灰色になった雲の底が見える。その上には、ところどころに入道の頭の部分が、橙に照らされてもこもこ突き出ている。さらに上空にあるのが刷毛で掃いたみたいな薄い雲で、それはまだ白いままの陽光に光っている。崩れていく飛行機雲は、たぶんその中間くらいにあるんだろう。すべてのバックにあるのが、まさに空色のスクリーン。この空を手描きで絵にするなら、きっと少なくとも5,6枚のレイヤーを使わないといけない。……ってそれは手描きじゃないか。

こんなに高い空なのに、大気なんてのは地球を包む薄皮程度のものだとは実感しがたいよなあ。

光見守る坂道で

電撃G's magazine での新連載、ゲーム"CLANNAD"のサイドストーリー。麻枝氏担当の第一回は、渚と朋也の出会いより1年さかのぼった春の話でした。掌編と言える短さだし、文章はほとんどゲームの文体と一緒で小説というほどのもんでもないし(一応変えてるけど)、物語自体なんでもない内容なんですが……あーでもやっぱり麻枝作品好きだ、俺。限りなくオバカで、限りなく優しい話。

3年生の新しいクラスで友達をつくりたいけど勇気が出ない渚。陽平のたくらむ「新入生どもに、俺達のような怖いアウトローが存在するという事実を叩き込んでやろうぜ」というアホな計画になぜか付き合わされる朋也。まるで関係のないはずの2つの話が……って説明しても絶対伝わるわけがないな。

細かい部分が可笑しすぎる。彼のギャグセンスは俺にはたいそうツボであるらしい。考えれば考えるほど笑える。でもってどいつもこいつもありえない言動するキャラクターなのに、不思議と作り物っぽい感じがしない。そうだよな、こいつらはこういうふうに生きていくんだよな、などと思ってる自分がいる。

麻枝氏にはこんな、少しずつ会話や場面を切り取っていく書き方が性に合ってるような気がする。毎日の行動を逐一書かないといけないアドベンチャーの日常パートよりもずっと。少ない言葉数に大きな情感をこめられる書き手だ。ラストはあやうく笑い泣きしそうになった。もちろんゲーム本編の、この後の彼女の人生を知っているからなんだけど。

ゲーム本編を知らない人が読んだらどう思うんだろうか。誰かに読ませてみることにしよう。

[]

  1. もりげ (04-13)
  2. トリガラ (04-13)
  3. V林田 (04-12)


mail:gerimo@hotmail.com