古いSOTECパソコンを売りに行った。驚いたことに5500円にもなった。
もともと、安いからというだけの理由で買った代物だし、何しろ年代モノなので、無料で処分できるなら程度に考えて持っていったのだ。ところがどっこい5500円は素敵な小遣い稼ぎだ。
もうみんな社会人になって自活してる年齢なのに、この先どれだけ経ったらそんなことができるようになるのやら見当もつかない。いや、できるような気すらしない、といったほうが正確なくらいだ。
だのに、SOTECパソコンを売っただけで5500円なのだ。これはなんだか自分という人間の価値がSOTECパソコンの価値に負けた気がして仕方がない。SOTECパソコンでさえ金を生み出すのに、ぼくはどうにもいけないのだ。
人間も、生まれたときが新品であとは中古になって価値が減じていく一方なのだとすれば、ぼくの価値はいかほどだというのか。もうそろそろ引き取り手をさがすのも難しいくらいの無価値ぶりなんじゃなかろうか。世の中には、新しい部品が出るたびにアップグレードしてどんどん価値を増やしてゆく人間もいるというのに。
ああ、念じることでSOTECパソコンを創り出せたら! そうすれば自活できるのに。1台5500円なのだから、1日に3台も創れば家族を支えて生きていけそうだ。神よ、もしそこにおられるのならぼくにSOTECパソコンを生み出す超能力を与えてください。
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