世界崩壊の予兆、というやつを感じたりしてみたい。あるいは、実存の不安というやつとか。世界の不思議を感じる力が抜け落ちていく。ソリッドな現実が隙間なくぼくの視線をふさぐ。脳内麻薬でハイになっても、アルコールでぼんやりしても、その感覚だけは変わることがない。これは本当の欠落ではあるまいか。
不安に打ち震えながら、夢の旅路を行く詩人が、喩えようもなく羨ましい。
しかしそうして考えていて気づくのだ。ぼくの周りを覆うソリッドな現実というのは、自室の壁の比喩でしかないことに。だから。休みの日は、外に出るくらいしないといけないんだ。
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