割と無理なお願いをしてる様子の、先方からすればうざい奴ら。そういう集団の中にぼくはいて、しかしぼくはその辺の事情はわからずに連れて行かれただけだったので、先方とこちらの双方が表面上はにこやかにしながら険悪ムードになっていくのをやるせない気分で眺めていた。そんな第三者的視点から見ればこっちもこっちで悪いと思うのだが、しかしにこにこと嫌味を言う先方の態度には苦笑いするほかなかった。
連れて行かれた場所というのは、端的には書かないがょぅι゛ょ等が集う施設で、なんだかまあ、奴らが集まるとどれだけのエネルギーが生まれるのか久々に思い出した。いいですね、若いって。世相がどうとか関係なく、奴らが生物として活力に満ちていることはいつの時代も変わらないわけで――。
その身の内から、まだ見ぬ場所へと己を駆り立ててゆく強い力が、しっかりと湧き上がり続けているのを目の当たりにして、それだけで落涙しそうになる私は、きっとそろそろ悟っているのだね。自分の生涯は、あとはもう今のままどこにもいけないで終わるんだろうということを。
「ひとりで納得してる場合じゃないでしょ!」
「ひっ」
「経験したこともないような痛みを与えてあげようか?」
「い、椅子はまずいよ、本気でまずい」
「ね、まだ先はあるの」
「……うん」
「わたしが終わらせちゃうけどね」
「えっ」
そして一面の、赤。
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