ジョン・ウィリアムズの音楽はちょっとペッテションぽかったと思いますがどうなんでしょうか。
というか映画の内容自体がペッテションぽかったな。絶望と絶望と絶望の果てに、あるのかないのかわからない程度の救い。終わってほっとする類の作品。
(少なくともSF界隈では)非常に高かった前評判どおり、映像の迫力といい、手放しで絶賛したい出来なのだが、どうもあんまりヒットしてない理由もわかるような気がした。表現された絶望があまりに圧倒的で、そのことが観客をして、ふだん目をそむけている事柄に直面せしむる。で見終わってやっぱりその辺には目をつぶることにして
「最後がどうも物足りないなあ」
……このセリフは、あの映画を「作品」という枠に閉じ込めるための儀式みたいなもんかもしれないと思った。そうしないと、たかがスペクタクル巨編(あるいは怪獣映画?)を見に来たはずなのに、妙にリアルなものを見せられた気がして不安になってしまう、と。
しかしまあ物足りる物足りないとかじゃなくて純粋に、本当の破壊とは何かってのを見せてくれたと思います。
世界の終わりってこういう圧倒的なものだったんだよなあ……。いつの間に少女と少年のひと夏の思い出程度の淡い物語で世界が終わる時代になってしまったのでしょうか。
あと、『マーズ・アタック!』を続けて観るとどういう気分になるか試してみたい気がした。
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